食事制限をすると体重が落ちていき、外見もスリムになっていきます。これを一般的には”痩せた”といっていますが、これは「カロリー不足によって不足したエネルギーを筋肉や脂肪を消費することで補って身体を維持した」結果です。食事療法のみで体重を落とした場合、2割〜3割は除脂肪(※脂肪以外の筋肉や骨量)量が減少しています。
ダイエット中に「なかなか体脂肪率が下がらないな…」と感じたことはないでしょうか?それはもしかしたら体脂肪率のマジックに引っかかっているからかもしれません。体重の減少とともに除脂肪量も減少します。言い換えると「減った分全て脂肪量が減っているわけではない」ということになります。これを数値で見てみます。
体重70kg、体脂肪率35%の状態から10kg体重を落とした場合、体脂肪率はどのように変化するでしょうか? 理想は以下です。
体重と体脂肪率から簡易的に脂肪量・除脂肪量に読み替えています。脂肪量24.5kg 除脂肪量45.5kgから脂肪量のみ10kg減った場合、体脂肪率に換算すると24%となります。
しかし、現実はそうはいきません。以下のようになります。
10kgのうち、3kgは除脂肪量(筋肉など)が減ってしまいます。すると体脂肪率は29%となり「けっこう体重落としたのに意外と数値が変わらないな」ということになってしまいます。
「別に筋肉が減っても痩せればいいや」と思いましたか?しかしこの事実はもう少し深刻に考える必要があります。リバウンドしやすい身体を作ってしまうためです。下図をご覧ください。(数値は "厚生労働省 eヘルスネット 加齢とエネルギー代謝"より)
基礎代謝とは、生命維持のために費やされる必要最低限のエネルギー量のことです。その中で維持にもっともエネルギーを使用しているのが筋肉で22%です。対して、脂肪は4%しか維持のためのエネルギーを必要としません。そのため、ダイエットで筋肉量が減ってしまうと基礎代謝が下がる=太りやすい体質となってしまいます。その状態でリバウンドすると、今度はリバウンド前よりも筋肉量が少ない状態になり痩せにくくなるという悪循環が生まれてしまいます。筋肉量が低下することで動きにくい身体となり自然と活動量が減ってしまうのもリバウンドの一因です。
ダイエット中の筋肉量の減少はレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)によって抑えられます。できる限り脂肪だけを落としながら健康的に理想の身体に近づけましょう!